2012年1月19日木曜日

情報とコミュニティー


今回のソロプロジェクトでのレコーディングは実はゼロから初めて作る作品です。
今までparanoaの楽曲でレコーディングしていたため、あらかじめ出来上がっている曲を題材にプリプロからスタートするような形でした。基本的なアレンジが出来上がっている為プリプロでは細かい部分のアレンジを詰める作業、構成を練り直すといった作業の後にレコーディングという形をとっていたんです。

なぜなら、以前はライブ活動がメインだったからです。
ほとんどのミュージシャンはスタジオでアレンジを固めライブに望んでいます。
ですがそこには大きく欠落している部分があると思うんです。
レコーディングはプリプロの段階でありとあらゆるアレンジ、音色、構成等色々なアイデアを入れこんではその度に検証。
レコーディングに望む前にかなり精密な作品になる媒体ができあがります。
これは譜面を初見で演奏したり、バンドサウンドで自分なりに固めたアレンジを試すスタジオリハ中の、自分の演奏だけにとらわれがちな練習風景の中でできあがる音楽とは完成度という意味で大きな差があると思うんです。

僕らの楽曲もライブメインで活動していたときのスタジオリハで練り上げた楽曲と、レコーディングを終えた後の楽曲の完成度とでは大きな差がありました。
そのためレコーディングを終えた楽曲はライブでも自信をもって迷い無く演奏する事ができるようになりました。
逆にレコーディングをクリアしていない楽曲に対しては散漫に感じてしまうというか、いまいち自信をもって演奏できませんでしたね。
プリプロを終えて本番のレコーディングに望めばそこからは完成品ができあがるまで根気と、弾ききれていないアレンジ等は練習しながら少しずつ進めていく為、演奏レベルも飛躍的に向上します。

ライブをする事よりもレコーディングをする事の方が演奏レベルもあがり、楽曲に絶対の自信を持つ事ができます。
でも経験上、こんな環境で音楽を、作品作りをする事ができるミュージシャンの人たちは稀だと思います。
一般的なレコーディングではスタジオブースを貸し切って多額の金額と決まられた時間の中で録り終えなければならない為、ある程度の妥協もしなければならないし、ミックス、マスタリングすらも時間内に終わらせてしまうのだから作品のクオリティーはたかがしれています。
そして一番大事な、そのレコーディングを終えた後の自分のスキルアップに繋がるロジックが見当たりません。っというか時間やお金を浪費した割に非常に少ない。
っでも悲しいかな、これが一般的な音楽活動の方法と考えるミュージシャンは圧倒的に多い。
なぜならそれが一般的だから。「そういうものだろ?」っと。
物事はとかく逆説的なんですよね。っと自分にも言い聞かせる。

今までずっとそんな環境で音楽を永らく続けていた自分としては正しいコミュニティ、正しい情報というものが如何に大事なのかを考えさせられます。

っと作品作りをしながらそんな事を考えておりました。

byたいよー